私の毎日は実験の連続である

色々な試行錯誤の記録。家事、育児、健康のことなど。

息子の骨折話 ②救急車と手術のこと

救急隊の方々には以前、保育園の救急講習でお会いしたことがあった。

いくら怪我に慣れているとは言え、見知った顔の、しかもプロが来てくれたことでかなり心が軽くなった。

本人の話を聞く限り、どうやら頭は打たなかったようだ。

腰から落ちたという証言もあったが、死角で手を着いたのが多分先だったのだろう。

腰は痛くないようだった。

まずはそれを確認できたのが良かった。

肘は明らかに変な方向に曲がっていた。

以前に脱臼したときと同じ。

病院に運ばれることになったのだが近くの病院には入れず、結局は救急車に30分くらい乗っていたと思う。

その間、救急隊員さんたちと色々な話をした。

と言うより、息子や私が怖くならないように話を振ってくれたが正しいのかもしれない。

救急車の色々な機材のこと、息子の学校の教頭先生が隊員さんの担任だった話。

息子は顔色は悪いながら興味津々で聞いていた。

それを見て「あ、なんかもう大丈夫だな。」と思った。

 

病院に着いてレントゲンやCTを撮り、脱臼だけでなく骨折も判明。

入院・手術することになった。

このときも先生に色々質問して楽しそうだった。

「レントゲン写真見せて!」

「僕の手術ってどれくらい時間がかかるの?今までで一番長い手術はどのくらい長かったの?」

「シーネはなんで固まるの?」

などなど。

先生も

「いいね、好奇心旺盛だね。」

と嬉しそうだった。

若い、と感じたが同世代だと思う。

体力もあり技術力もある、一番働ける時期って感じが30代なのだろう。

なんだか感慨深い。

ちなみに先程の質問の答えは

「見てごらん。写真には写ってないけどここの骨が割れて、靭帯がずれてるんだ。」

「君の手術は1時間あれば終わるよ。内容としては簡単な方だな。」

「23時間ってのが一番長かったかな。」

「わからない。けどなんか縮合してるんだと思う。」

ということだった。

いい先生だ。

 

手術前に麻酔科の先生が説明に来てくれたのだが、彼もなかなか面白い人だった。

麻酔のガスの香りを選べます、という話をしていたときに

「松茸ってのもあるんだけどオススメしない。と言うより不評だからやめておけ。」

「夜中に疲れて変なテンションで間違って注文しちゃったんだよ。」

と言っていた。

息子はニコニコ笑って聞いていた。

逆に評判の良いものはオレンジや紅茶の香りということで、オレンジにした。

「手術室に来たらオレンジの匂いを嗅いで、点滴から麻酔を流して、そしたら寝ちゃうからな。あとでいい匂いだったかどうか教えてな。」

と言われ、息子は

「パパが麻酔したときビリビリしてバツンって記憶がなくなったって言ってた!僕もビリビリするかなあ?」

と心配していた。

 

実際手術をするときには、病室のベッドで鎮静剤を打ったのですぐに寝てしまい、オレンジの匂いもビリビリした感じも味わえなかったようだ。

「お、来たな。ってもう寝てるな。」

 

「誰かが一服盛ったんだろ。」

というやり取りに私は笑った。

「この子はすごいんだよ、好奇心旺盛で。」

と先生が昨日の会話を披露し、助手さんが

「俺より頭いいじゃないですか!(笑)」

と話しながら、息子は色々な計測機器をつけられていった。

私は、麻酔で完全に眠るところまで付き添い、外に出た。

 

この後2時間ほどで息子は帰ってきた。

手術は問題なく30分で終了し、レントゲンを撮ったり麻酔の管理をしたりで2時間。

待っている間に不安になったりもしたが、とにかく無事に終わって良かった。

 

目覚めて最初の一言は

「手術終わった?全然覚えてない!」

だった。

 

病室を出た記憶がない、寝て起きたらここにいて全然手術した感じがしないと本当に残念そうだった。

その好奇心は尽きることがなく、痛みを忘れるほどである。

それが息子だ。

 

〈終わり〉